伝統崩壊?! どうする和楽器業界『フリーランス法』

目安時間:約 11分

『フリーランス法』

『あるようでない、ないようである』が許される、
日本の「お家芸」とも言える曖昧な時代が終焉!?

 

『あるようでない、ないようである』

 

『あるようでない、ないようである』は、
禅語としても紹介され『色即是空』という
般若心経の言葉なんですが、その意味は『空』。


この世のあるゆるものは「空」(くう)である、という
ことなんですが『色即是空』をざっくり読み解くと、


「色は空」なんです。


「は??」 と言われそうですが・・・

 


「色」は光の屈折から人間が決めつけた物質であり、
動物によっては「色」そのものが本来は無いワケで「空」。

 


人間というフィルターを通して「色」は存在するのであって、
人間以外の生き物や宇宙的な視点からしたら「色」という
「概念」はそもそも存在しないものでもある、とも言えます。

 

 

(イメージ)

 


それが『あるようでない、ないようである』とも
言えるのですが、それが日本の伝統文化にも反映されている
ことが間々、ありますよね。(日本人のDNAなのか無意識?)

 


『色即是空』の話は長くなるので興味のある方は、
ご自身で調べて、解釈を深めてみてください。

 


本題に戻ると、
その『あるようでない、ないようである』
伝統的な解釈が今後は、通じないかもしれない、
『フリーランス法』が年内にも施行されそうなのです。

 

 

 

 

『フリーランス法』とは?

※これから施行される予定の新法なので
今後、変更等がある可能性もあります。

 


ここから先、敢えて伝統芸能業界を例えに、
簡単に・・ですが、お伝えしようと思います。

 

お客さんからのリサーチなど含め経験をもとに
若干、主観も入るかもしれません。ご了承ください。

 

 

 

(イメージ)

 

 

・取引の正常化
報酬を含め責任の所在を明確にする必要があります。
特に伝統芸能業界は「なぁなぁ」で受注発注したり、
「お付き合い」も慣例になっているので注意が必要。

一般のビジネス契約と同じ様に書面で記録を
残す必要が出てくるかもしれません。

・労働環境の改善
安全な舞台設置やセキュリティ、
コンプライアンスの実施などの義務が生じます。

・個人事業主と従業員の区別の明確化
契約以外の拘束などは注意です。
「内弟子」と「生徒」の区別など。

教室運営、流派や会派、業界団体も注意かもしれません。

 

ざっくりですが、​主にこれらを軸とした新法です。
その中には『ビジネス』としての『義務』も含まれます。

 

 

詳しくは厚生労働省のHPへ

 


もし、あなたが、生業として教室事業をしながら、
名取などの関係で師匠から、出演依頼などが来た場合、

 

 

・取引条件(契約の透明性、酬額、契約書など)
・不正慣行の禁止(慣例、契約外命令など)
・適切な労働環境の確保(時間、舞台環境など)

 

事業主としてお互い合意の上、業務を実施する義務が生じます。


『あるようでない、ないようである』は通じず、
事業主同士、師弟関係なく対等な主張ができる事になります。

 

 

 

 

 

 

ついに、家元制度崩壊?

さすがに今時は、
ジャイアンみたいな方は居ないとは思いますが・・・、
つまり「私の流派に居たいなら私が絶対だ」
「お弟子さんなんだから・・・」というような、

 


一方的な契約条件は、その人があなたの弟子であろうと
そのお弟子さん事業主である以上、通じなくなります。



生徒さんやお弟子さんを「カバン持ち」「付き人」など、
明確な条件、理由もなく、一方的に束縛した場合、最悪
「ハラスメント」として
訴訟問題にも今後はなるかもしれません。

 

 

それが「修行」だとしても相手が「パワハラ」と
主張してしまえば、それまで・・・怖い世の中です。

 

 

 

(イメージ)

 


もちろんお互いに「信頼関係」が築けていれば、
その限りではないのかもしれませんが・・・。

 


また、個人間の契約に限らず、伝統業界全体で言えば、
〇〇協会、〇〇教室、演者、和楽器工房、
販売店舗などの事業取引契約でも同じことが言えます。

 

 

どうする?伝統芸能業界

 


ぶっちゃけ私には、
どう、こう、言えた立場ではありませんが、
各方面との出会いや自身の経験も踏まえて・・・



『あるようでない、ないようである』
ビジネス、生業としても暗黙の了解が多いのも伝統業界ですが、
「感じ取る」「助け合い」と言う意味では良い日本的だと思います。

 


しかし、それはお互いの「信頼関係」「尊重」があるから
成り立つのであり、理由と根拠も伝えずに頭ごなしに
「押し付ける」のとは、また意味が違ってくると思います。

 


また、資本が必要な現代社会では、
「想い」や「助け合い」だけでは現実問題、発展できません。

 

 

 

 

綺麗な伝統、素敵な先生、素晴らしい演奏を継承するにも、
道具を維持するにも、打ち合わせをするにも、
先生が教室を運営するにも、
師匠も弟子も「お金」が必要なのが現代社会なのです。

 


事業として「お金」を頂いて相手へお金を使って世間や、
楽器職人、販売店、企業、団体、演者など業界に対して、
経済を回すのが現代流の「助け合い」なのかもしれません。

 

 

 

 


『あるようでない、ないようである』を良いことに、
そのバランスを崩す様な「パワハラ」「報酬」「環境」
「不透明な条件」を提示すれば、世代ギャップも加わり、
今後は問題へ発展する可能性も高くなります。

度々、ニュースに登場する伝統業界の様に・・・。

 



話を戻すと、お弟子さんやアーティストも含めて、
その業界で収入を得て、教室を開いたり、
演奏出演依頼を受けたり、なにかしらの生業として、
「金銭のやり取り」が生じている時点で「事業者」であり、
「フリーランサー」に該当します。

 

 

 

 

(イメージ)

 


日本の伝統芸能業界は、一般企業とは違い、
マーケットも狭く、文化的な独特な要素があり
政府の機関が抜き打ちで査察に来たり、制裁を加える
ことが極端に少ない業界だと感じています。

 


故に『あるようでない、ないようである』も
許されてきた部分もあると思いますが、今度施行予定の
『フリーランス法』は事業として活動をしている以上、
伝統業界関係なく『社会的義務』が生じます。

 


技術的な伝統はそのままでも意識まで、そのままだとしたら、
日本伝統芸能の将来もヤバいことになるかもしれません。

 

 

いずれにしても、

まずは、資料を読んでおいてはどうでしょうか。

 

 

 

(イメージ)

 

 

※これから施行される予定の新法なので
今後、変更等がある可能性もあります。

 

 



P.S.

愛知県に『絶対見てはいけない祭り』があるそうです。

その祭りは『寝祭り』といい300年の歴史があり、
見た人は神罰が下り、体調を崩したりと災いが降るため、
地元のおじいちゃん、おばあちゃんでも見たことがない人が
住民では、ほとんどらしいです。(宮司しか見れない)

しかし、遂に2024年、300年の伝統を壊す英断をしました。
伝統を守る為に・・そのおかげで私も知ることができました。

 

動画で宮司さんの言葉が本質だと思います。
​リンク貼りました。良かったらご覧になっては?




P.P.S.

私が稽古していた日本の武道の組織は
明確に『内弟子』と『一般生徒』は
指導内容と稽古条件が違い、
棲み分け運営していました。

この仕組みは、
伝統芸能業界にも当てはまりそうです。

私にはバックボーンがないので作れませんが、
この仕組み、今後必要だと思いますが、
誰かできる方がいれば、お手伝いしまーす!


今日も良い1日を!










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