2020年パンデミック直前、仕事の流れで
あれよあれよ、とハマってしまった津軽三味線。
約3年間、お金と労力と時間を工面して、
体験した情報をかなり端折ってご紹介!
津軽三味線に興味あるけど、
「道具の購入は実際どうなん?・・・」
そんな人へ、ちょっとだけ公開します!
今回は4回目、あとは、実践あるのみ!
其の四
・天神カバーいろいろ
【ゴム製キャップ】銀河印
入門用の付属品の天神キャップ。
主張も控えめで
耐久性も有り何気に良いです。
舞台本番では外す部分だし、
天神の保護が目的とするなら素材、
価格を含めて、理に適った一品かと。
しっかりストックしているゴム製キャップ
【合皮製】
紙ベースの合皮巻き。こちらも定番。
安価でサイズも豊富なのでスペアにお勧め。
耐久性は相応だと思います。
衝撃に対する保護力はやや弱めです。
知らぬ間に先っちょが裂けている事も多し。
天神が丸見えになってた・・なんてことも。
定期的な点検と交換は必要です。
布巻きはメーカーにより、紙製、プラ製が有り。
ストックの布巻き
【津軽塗り】
高級感抜群。基本は胴掛けとセットで
天神キャップ単体で売っていないので、
無くしたり、破損すると結構ショック。
ベースはプラ、紙、両パターンあり。
先っちょの塗装がパリっと割れがち。
(先日、先端部分が遂に剥がれ落ちた)
艶やかでお気に入り
・胴掛けいろいろ
【合皮タイプ】紙ベース
個人的には、安くて滑りにくく、道具として
合理的な印象で好きです。レンタル用三味線、
市販モデルの付属品だったりもします。
【布張り】紙、プラあり
印伝調など、バリエーションが多く、着物の生地を
張り付けた物などゴージャスな物まで試しました。
汗で滑りにくく、感触も良いのですが、
張る生地の種類と色によって、高級感がでるか、
チープな印象になるのでセンスの分かれ目。
【本津軽塗り&津軽塗り風】紙、プラあり
たかが胴掛け。されど胴掛け。伝統工芸品。
天神カバーとセットと言っても・・・高い。
ツルツル滑るのも難点。気品はあります。
一度、装着したらやめられない質感。ただ、
高価だからとボロボロのまま使っていると
逆に貧相な感じになるので注意。
少し安価な津軽塗り風のプリント版もあり。
そちらの方が塗装もパリパリと割れないし、
(プリントなので擦れますが)
道具として、気を使わずに使えて、
価格的にもバランスが良い印象ですね。
演奏時も見た目はほぼ、
本津軽塗りとの違いもわかりません。
紙製かプラ製か・・・。
胴掛けの素材にプラベースと
紙ベースのものがあります。
良かったらこちらもご参考に。
https://shiraceterrace.com/another/tsugaru-jamisen-2.html
・胴皮いろいろ
【犬皮】
厚め張りとカンバリを何挺か試しました。
厚めの皮は中低音が強く耳にも優しい感じ。
耳が慣れると「上品な音色」かもしれません。
「かんばり」の方は音は乾いてて硬いというか、
「尖った」感じの中高音。サワリのつき方も
ギンギンでエレキギター系の音です。
合皮は特に顕著です。
人によっては、騒々しいと感じるかもしれません。
ただ同じ「かんばり」でも皮の個体差もあり
アタリ、ハズレは正直あります。
自分は、キズがついて「もう交換時だよ」と
言われていたいたのが一番、鳴ったし、
なんだかんだ、破けずに手放すまで平気でした。
三味線ごとでも微妙に音が違いますし、
正解は無い感じです。自分の好み。
梅雨など湿気が多いと影響を受けやや音が籠る。
そういう微妙なところも駒を変えたり、
駒の位置を変えたりするなど面白いと思います。
皮張りは職人さんの腕の見せ所だそうです。
【合皮】
ほぼ破けないと言われています。
犬皮より価格帯も性能も安定傾向。
好みのメーカーさえ見つけられれば、
毎回、期待通りの張り上がりが期待できます。
合皮もメーカー毎に品質が違うので賛否両論です。
自分は何種類か試奏したり、所有したりしながら
行き着いたのが「風音」さんの合皮です。
色々、合皮を研究されていて、
数種類の選択肢と好みの音色に自分で
チューニング(皮による)が
出来る様になっていたりします。
他には『撥道』さんの「響」なども、
サワリもつきやすく白の他に黒もあったりして、
ステージ映えする合皮です。
ただ、合皮の欠点は、
イマイチ売却時に人気がない事。
教材用の合皮とは全然、音色が違うのですが、
そのイメージもあるのかもしれませんし、
伝統的ではない(邪道)という
イメージもあるのかもしれません。
(合皮から犬皮へ張り直しもできます)
合皮「風音」
・糸巻きいろいろ
【本黒檀】
黒檀にもアフリカ黒檀、本黒檀など種類があります。
自分は本黒檀を選ぶ様にしています。理由は、
調整が自分でもしやすいからです。
コチラは一般的な「素六」タイプ
愛用の形状は「宇柄」ですが通常の
「素六」もシンプルで飽きがこなくて好きです。
ただ、本黒炭は湿度が高い時は
膨張して調整がキツくなります。
逆に寒い冬などは、緩くなりがちなので
「仕込み調整」はキチンとしておくことをお勧めします。
【アクリル】
カラバリが豊富。照明には映えます。
一説によると「伝統的」じゃないとのことで
まだ、賛否両論あるようです。
自分は、先端がダイヤカットが特徴の
アクリル糸巻きをかつて使っていました。
使った感想は、本黒炭より、
温度変化に強く調弦も狂いにくくて良いと思います。
(キチンと仕込み調整してある場合)
個人的には棹とのギャップが気になり
結局、通常のタイプへ戻しましたが、
もし、自分がアーティストなら
ステージ用の三味線として、
アクリル糸巻き、アクリル撥、カラー糸、
黒の合皮などでカスタムすると思います。
そして鉄心入りタイプがおすすめ。
鉄心が無い方が安価ですが折れると
最悪な事態になるそうです。
また「プラスチック製」と
「アクリル製」は素材自体が違うので注意!
プラはキュルキュルと一気に滑るそうです。
【象牙調】
真っ白な象牙調は好みで別れますが、
金ホゾ三味線には大抵、付けている印象ですね。
こちらもアクリル糸巻きと同じ理由で
ダーク系の色で纏めたいので使わず仕舞い。
紅木の黒檀ベースのタイプへ換装しました。
【本象牙】
最高級品ですが、手汗で黄ばむし、
高価だし、仕込み調整も難しいみたいだし、
機能部品として使うメリットが分からず・・・。
試していません。
【紅木】
本黒檀ジョイントの紅木。
棹との一体感や派手すぎず、地味すぎず。
お気に入りのタイプです。
因みに、糸巻きは全てにおいて、
細い方に糸があるほど緩みやすいとのこと。
ご参考まで・・。
まとめ
「人間は思い込みに囚われた囚人である」
映画『マトリックス』に出てくる名言ですが、
「選択肢は無限、自分次第」。
自分にも心当たりありますが、
「思い込み」はときに「執着」になります。
「執着」に変わるとそこで「止まります」
何を基準にしているのか、何が目的なのか、
『これが絶対』は無いと思うので、
色々、楽しんでみてはどうでしょうか。
其の五へ続く・・・。
・津軽三味線購入の研究材料として次へ繋げる為であり、
転売を推奨する記事ではありません。
・これらの見解には諸説あり感じ方に個人差もございます。
・今後の経験値により見解が変わる場合があります。
・記事を参考にされて損害が生じても一切、責任は負いません。
ご自身のライフスタイルはご自身の責任によって得られるものです。
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カテゴリ:津軽三味線(仕事率50%)