《和楽器のもう1つの楽しみ方》
ご縁あって「舞楽」を初観覧。
「宮中行事」の時のアレです。
今年は、今上天皇御即位5周年ということもあり、
コロナ禍明けのお披露目となった「舞楽」を
ご縁を頂き、初観覧してきました。
舞楽とは?
多分、よく聞くのは「雅楽」だと思うけど、
「舞楽」を簡単に説明すると、
奈良時代から平安時代に貴族や天皇などの
皇族関係者が「舞」を楽しんだのが「舞楽」なんです。
「三国志」の映画などを見ると、武将たちが
戦いの前に王と共に宮中で宴をしていたりしますよね。
あのイメージだと分かりやすいと思います。
実際に、日本の舞楽のルーツを遡ると、
多分、あなたも一度は耳にしているであろう、
有名な『太平楽壱具』は中国王朝の武将、
奏の「項羽」(こうう)と「劉邦」(りゅうほう」が
会見した際の剣舞を元に作られたんだそうです。
三国志が好きな人はここで、
ビビッと来るんじゃないでしょうか。
因みに、舞の伴奏楽曲が『雅楽』です。
神社での結婚式とかで聞きますよね。
演舞じゃなく、振鉾
舞楽が始まる前の儀式的な舞が「振鉾」(えんぶ)
鉾を振ることで悪霊を祓い、舞台を清めるのだとか。
なんだか、
観ている方までお清めを受けてるようです。
赤色の装束が「左方」。中国伝来の舞楽を演じます。
一方、朝鮮伝来の舞楽は「右方」。青い装束なんです。
それぞれ、1人ずつ同時に舞うんだけど、
右方と左方チーム、それぞれ楽曲が違う。よく混乱しないな。
まとめ:意外な発見!
津軽三味線を始めて、和楽器の業界に携わり、
なぜ、この場所にいるのか?
本来、和楽器というジャンルの前に、
日本には、新嘗祭など、農耕民族として、
季節や、海、山、川、動植物には人知を超えた存在が
宿るとして「八百万の神」という考え方がありますよね。
みんなが好きな「祭り」もイベントではなく「神事」です。
その神事で使われるのが「和楽器」。
また、田畑を耕す時や、力仕事をするときに農夫などに
歌われた労働歌が「民謡」だったりします。
その伴奏で使われるのも和楽器。
津軽三味線からルーツを遡ると、民謡へ、民謡から遡ると、
邦楽へ、邦楽から遡ると、神事へ・・・と、
和楽器の歴史を遡れば自然と辿りつく感じです。
演奏して楽しむのもアリ。
観て楽しむのもアリ。
場の空気を感じるのもアリ。
「三国志」的なルーツもあったり、そんなことも知れば、
歴史好き、神社、仏閣好き、スピリチュアル な人まで
結構、楽しめたりするんじゃないかと思いました。
因みに、今回は『太平楽壱具』フルバージョンだそうで
普段はあまりに長編なので演舞することは無いそうです。
チョー、ラッキー!
しかし、演者にとっては・・・
甲冑が約15キロ、1時間近く動きは太極拳ばりの
ゆったり感の舞で、龍笛(りゅうてき)篳篥(ひちりき)
笙(しょう)も延々吹きっぱなしで超ハードだそうです。
やっぱり修行だわ。
お疲れ様でした!
今日も良い1日を!