《津軽三味線》9割独断と偏見?! 津軽三味線購入実践記 其の五

目安時間:約 16分

2020年パンデミック直前、仕事の流れで
あれよあれよ、とハマってしまった津軽三味線。
約3年間、お金と労力と時間を工面して、
体験した情報をかなり端折ってご紹介!

津軽三味線に興味あるけど、
「道具の購入は実際どうなん?・・・」
そんな人へ、ちょっとだけ公開します!

今回は5回目、あとは、実践あるのみ!


其の五


・日本和楽器製造&銀河印(ニチワ)の太棹。

 

画像右の三味線

 

簡易三味線からリアル太棹へ移行した時、
存在感に感動した思い出があります。

 

​入門用の三味線は家で運指の練習、
体験会などイベントの貸し出しにピッタリ。

 

 

ただ、付属品はオマケ程度なので
自分で改めて揃えた方が無難です。

中古相場も比較的安価で、カンベリなど気にせず
ガシガシ練習できるので中級者以上の人にも
おすすめだと思いますが、

 

 

耐久面は、毎日最低10分以上は、
練習で弾いてましたが、やはり、
紅木よりカンベリは早い印象です。

 



・太棹1 紅木
初めてのMy三味線。丸打ち胴。犬皮。
トチなんて言葉も知らず、
持っているだけで満足だった頃に購入。
「金降り金スジ」の棹でした。

 



上棹2.9ミリ、下棹3.0ミリ。
「重ね」も一回り細く握りやすかったです。
撥付け、糸の交換、その他メンテナンス、
基本動作をかなり勉強させてもらった1本。

 

最後はカンベリしてサワリ駒も減りまくりで
倍音がほとんど効かなくなるまで使用。
皮が破けなかったのは幸いです。

 

・太棹2 紅木 極太棹 短棹
見知らぬ方から買取をお願い(?!)された一梃。
通りすがりの方が音を聴いて繋がったご縁。

昔、民謡の会派に居たらしく昭和時代の太棹。(短棹)
とにかく太い!捨てるに捨てれずとの事でお買取。

 


​この形のケースも好きです。

結局、引き取り後、現状渡しで、
とある教室へ譲ったのでコレは1度も弾かず仕舞い。
今思えば短棹が1本あっても良かったかも。
黒くて重く良い棹でした。


・太棹3 紅木 太棹
3本目、本格的に津軽三味線にハマりだした頃。
オークション利用も始めた頃。自分には細目だった
1本目を売却しその資金で正寸の3本目ゲット。が・・

 

 



パッと見た目は完調状態だったのに
分割してみたら棹が木目に沿って縦にパックリ。
オークションの闇洗礼を受けた一本。

 

人生初、ドキドキしながら東京下町の
三味線屋さんへ初訪問した思い出の1挺。

 

イメージと違い三味線屋さんは想像以上に
入りやすく、しかも綺麗に直ることを

勉強させてくれた1本。

 

 

ネットばかりでなく、
三味線屋さんにも行きましょう!w
修理の方法、三味線の状態など教えてくれ

色々勉強にもなりますよ。

 

 

この三味線は木材の「ねじれ」による割れで
コレばっかりは木の個性なので仕方ありません。

 

 

ねじれを修正しながらの修理だったそうです。
​確かに1の糸と、三の糸の弦高の感触が微妙に
違いましたが、棹も上下3.5センチと太く、
真っ黒でトチもあり良い棹でした。

 

棹の割れ以外は当たりだ、と
周りからよく言われましたが、

 

仕事上の都合で知人へ売却。
しがないフリーランスなので仕方ありません。
今でも気になっている一梃です。

 

 

 

因みに、オークションの画像などで、

「繋ぎ目に段差」がある場合や、
継ぎ目に隙間がある場合、疑いの余地ありです。
出品者へ質問しておきましょう!

・太棹4 紅木 金ホゾ 太棹

 

「近年の金ホゾ仕様は商業目的も多い?

 

ホンマかいな?と「金ホゾ」を試した1挺。
まんべんなく、トチも入っていて、
色はやや明るめで重ねも薄めの棹でした。

 

 


​結果・・・

 

 

・棹が堅過ぎなのか?技術なのか?棹が全く動じず、
 棹と胴の一体感を感じず気持ちが良くなかった。
・綾杉?皮?の影響か横に音が拡がる割に前には飛ばない感じ。
 (3本目の丸打ち胴は全体的に音が前に飛ぶ感じがあった)
・調弦がシビア?でツボが少しズレると途端に共鳴しない。

たまたま、個体差の問題かもしれないけど、

他の三味線と同じくフルメンテして、暫く使ったなかで、
弾いていて、気持ちが乗らなかったのが惜しまれる。

 

「丸打ち胴でも十分じゃねか?」と思ってしまった。
こんなもんなのかなぁ・・が正直な印象。

 

手持ちの丸打ち胴は『楽器』の側面が強く、
コレは伝統工芸品の側面が強い印象だった1挺。

 

 

まぁいずれにしても、
この時は自分の技量の問題だとは思います・・・。

 

 

結論
『最高の1挺』と『最適な一梃』は違う。

 



・太棹5 紫檀 太棹
紅木として出品されていた一梃、(オークションあるある)
トチも無く怪しいと感じつつも色味と状態は悪くないので購入。
が、分解したらポロっと、中子が取れました・・。

 

中子の修理は安いので悲観しなくてOKですが、一見、
瞬間接着剤で自分でも直せそうなので悩みましたが、
多分、接着角度により「ハ」の調整が狂ってしまうと思い、
念の為、工房に出しました。

 

​なので中子の補修ついでに「ハの調整」も。
そして・・「コレ紫檀だよ」の一言。


あ、やっぱりね・・・。

 

 

ただ、古くて成熟していそうだから、
素材は良いと思うよ、とも言われました。

 

紫檀材の原木。ウン10年の熟成モノ。


この1挺で紅木棹と紫檀棹の見分け方を学びました。
ただ現在は、紫檀棹は市場での玉数も少なく、
今や条約の対象で貴重品種なんだそうです。
これも暫く使っていました。

 

 

紫檀は紅木三味線よりお手頃なのもあって、
敢えて紫檀で
自分仕様の一梃を
カスタムオーダーするのもアリだと思います。
紅木と違い、見た目評価の影響も関係ないし。


弾いた感想は・・紅木と大差ありません。
重さ・・並紅木となら大差ありません。(個体差あり)


しかし、トチ棹に目が慣れてしまっていると
紫檀棹は見た目が素っ気なく感じるかも?!
でも将来、機会があればまた紫檀棹は欲しいです。

・太棹6 トチ紅木 太棹 ​ 合皮仕様
合皮の商品リサーチの為に紫檀と入れ替わりで入手。
真っ黒の棹で沈みトチ入りの丸打ち胴でした。
今まで全て犬皮でしたが、今回の決め手は『合皮』。
賛否ある合皮の実力を知りたくて購入。

 

 

因みに程度も良いのに、合皮の為か、
なぜか入札は少なく予算よりも安く落札。

個人的にはラッキーだったんですが・・・。

 

 

結論から言えばこの1挺の
お陰で、合皮の性能に確信が持てて、
後に全て合皮にするキッカケになった1挺。

 

 

​合皮に替えてからは音量が増し、
自宅練習では消音対策は必須です・・・。

 

 

 

・太棹7 トチ紅木 ​ 丸打ち胴 犬皮
7本目は、
金ホゾでは無いものの棹には沈みトチがびっしり。
何だか不思議なオーラの一本を見つけ、
仕事場での練習用にするつもりでゲット。

 

金具が無い以外は通常の津軽三味線


程度も申し分なく、
面幅もあるけど「重ね」は小振り。どうやら、
どこかの民謡会派仕様だった一梃のようで、

ちょっと、他より特殊な仕様でした。

 

 

どうやらそれが独特なオーラの正体。

 

 

その後「重ね小さ目を探している」という
人がたまたま現れたのでその方に売却。
音色と棹、重量感は、いい感じでしたが、
仕様の好みは分かれるかもしれません。

 

細目の割に重く良い棹でした。

・太棹8 トチ紅木 金ホゾ 太棹
あれから1年・・・前回の金ホゾの
トラウマもあったのですが、2回目の金ホゾ。
(中古といえども高いですから・・)

 

三味線道具探求を終わらすべく、
ゴールの意味も兼ねての購入。

 

 

購入を考えていた翌日、年末だからか、

価格的にリサイクル店が在庫処分的な感じで
運良く出品したてのタイミングで遭遇した1挺。

 

 

相手の出品直後に瞬殺で落札したので、
きっと相手は驚いたことでしょう・・・。

 

 

今、振り返えると破格値だったので、
経験上、逆に不安だった部分もあるけど、
こんな出逢いがあるのも面白いところ。

 

 

イチバンの問題は、突然の出費で
年末なのに自分の財布はカラッポ。

 

年明けどうするんじゃ・・・。

 

 

 

 

よく見ると前回の金ホゾとは細部の
意匠も違っていてそういうところも面白いです。
見た目はどれも一緒にみえるんですけどね。

 

 

自身の技術はまぁ、相変わらずですが、

今回の金ホゾはイメージが前回と違って、
「おっ?」と時々、ハマることがありました。

 

 

前回は、棹が響かない感触だったのですが、
今回は胴と棹の一体感を感じる感触だったんです。

 

前回から約1年、少しだけ成長しているのか、
三味線の個体差なのかは分かりません。

 

丸打ち胴は、音が前に飛び出る感じして

綾杉胴は音が横にも拡がる感じがします。

 

ただ、弾き手はわかるけど聴いている人が
この違いが分かるかと言えば微妙なところ・・。

弾き手の技術の問題の方が大きいと思います。

 

 

 

 

結論(大事なことは2回言うw)
『最高の1挺』と『最適な一梃』は違う。

 

 

まとめ

​今回は「自分の三味線」が比較のメインに
なってしまいましたが三味線に限っては経験上、
『高価=良い物』ということはなさそうです。

(素材の価値でなく、あくまで体感値として)

 

 

楽器として丸打ち胴と金ホゾ、トータルで考えると、
どっちもどっち。ただ、所有感を満たしてくれたり、
リセールバリューを考えると
金ホゾに軍配が上がるかなぁ、という印象。

 

 

「古い棹の方がいい」とはよく言われますが、
それは、キチンと大切に扱われていた場合であって、
オークションではそれまでの保管状態の判断が
結構、重要だと感じました。

 

古い棹は、湿気でカビ、木の捻れや、
乾燥による、ヒビ割れなどのリスクもあります。
古く良さそうな棹に限って「倉庫から出てきました」的な
何十年も「放ったらかしの保管状態」が多いです。

 

 

クラッシックカーと同じで、購入後、
フルレストアするくらいの気概でいた方が良いです。

 

 

 

経験上の相場は、7万円で落札したとして、
棹の調整や修理、皮の張り替えして、最終的に
総額10〜15万円程度の予算といったところです。

 

予算が20万円あれば安心、完璧ですが、
流石に20万だと色々、選択肢も変わりますよね。

 

 

 

もちろん、求めなければ安価に抑えることは可能です。
トータル7万円くらいで弾ける個体にも出会えますが、
中古オークションでは審美眼が相当必要です。

1つの事例として参考にしてもらえれば幸いです。

 

 

因みに、3年間を通して感じたのは、
中古市場に限って言えばですが、

 

年末が近くなると出品数が多めになり、
程度の良い「掘り出し物」も多い気がします。

 

あくまで想像の範囲ですが、演奏会や大会の
シーズンも終わり、年末をメドに引退を決める人や、

 

店舗系ならば年末在庫処分、家庭なら断捨離や
大掃除の影響などもあるのかもしれませんね。

 

 

 

色々、自由に書きましたがいずれにしても、
感じ方と目的は人それぞれ・・・。

 

 

そんなこともあるんだね・・程度に
思っててもらえれば幸いです。

 

 

 

最終回へ続く・・・。

 

 

 

・津軽三味線購入の研究材料として次へ繋げる為であり、
 転売を推奨する記事ではありません。
・これらの見解には諸説あり感じ方に個人差もございます。
・今後の経験値により見解が変わる場合があります。
・記事を参考にされて損害が生じても一切、責任は負いません。
 ご自身のライフスタイルはご自身の責任によって得られるものです。
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