《津軽三味線》『いただきます』からの動物愛護と和楽器

目安時間:約 8分

 

秋といえば「収穫祭」。
食事の時「いただきます」と
幼少の頃から教わっていますよね。

 

 

じゃ、いただきますとは・・・?

 

日本の文化として諸説あるけど
ヤオロズの国、日本という国は、

 

 

 

自分達で植え、刈り、収穫したお米を
神様へ奉納し感謝するという習慣があって、

 

 

 

その神様の1部を頂くので「いただきます」と
いう言葉を使っていまます。その奉納の時は、
和太鼓や舞が踊られたりするんですね。

 

 

 

(イメージ)

 

 

で、諸外国でも民族楽器を使う様な
お祭りは基本、みんな同じ様な考えだと思います。

また、その様な考え方から民族楽器には
『自然由来』の材料を使うことも多いのも特徴。

 

 

(イメージ)

 

和楽器の多くは歴史を辿ればインドや中国、
琉球国などを経て本土へ来た伝統楽器。

 

 

例えば中国から来た「お箏」は龍を模していて、
それぞれのパーツには龍に因んだ名前があったり、

和太鼓は「宮廷」や「神事」など神聖な行事や

 

 

歌舞伎、能、雅楽など伝統音楽には必要な
和楽器で、胴には天然木が、皮には牛や馬を使い、

 

 

 

(箏は龍に見立てているそう)

 

 

特殊な技術で、職人は素材と会話をしながら、
何年も掛けて1つの太鼓が出来上がるんです。

 

 

 

(イメージ)

 

 

三味線も同じく、樹齢100年以上の木材を寝かせて
木目の特性考慮しつつ、素材と会話をしながら、
職人が1本、1本作り上げているんです。

 

 

 

(何十年も寝かせてから使われる紫檀材)

 

 

 

また、強度的な理由もあるけど、
三味線の皮は犬や猫の皮を使います。
1枚、1枚、個体差もあり、まるで「生き物」みたいに、
気温、湿度でも「音色」や見た目も時に変化します。

 

 

 

この『素材との会話』しながら・・というのが
諸外国の民族楽器を含め、手造りの和楽器と
機械で大量生産される楽器との違いじゃないかと思います。

 

 

 

(生きている様に気温、湿気で状態も変わる皮)

 

 

 

知らない人が「表面だけ」でみれば、同じただの楽器。
そのうえで「見えない部分」も知ってほしいのです。

 

 

故に、稽古では演奏の方法だけではなく、
道具の使い方以外に「礼儀」も教わったりします。

 

 

自分は三味線を跨いで怒られましたw

 

 

それが明治以降増えた「学ぶ為の教室」と
古来の「古を稽る稽古」との違いでもあり、
本質じゃないかと思っています。

 

 

 

また、近年は動物愛護の観点から、
和楽器の材料が槍玉に上がる事もありますが、

 

そこには「動物虐待」の思想はなく「感謝」と
「共存共栄」じゃないかと思います。

 

 

 

(歌川国芳の浮世絵)

 

 

つまり、一般的には「いただきます」と同じく、
「自然から頂いた素材」「生き物から頂いた素材」を
感謝しながら大事に取り扱い稽古するのが和楽器。

 

 

その為、演奏の時には会場の独特な空氣感に包まれ、
奏者が放つオーラと鳥肌が立つ、繊細で力強い、
生音と音色の響きは唯一無二。

 

 

 

実際に、演奏を生音で体験しないと伝わらんけどねw

 

 

 

場である「天」、素材の「地」、音色を奏でる「人」、
「天地人」が揃ったとき、人を惹きつける力や、
結束力など、ケミストリーが起きるんじゃないかと。

 

 

神事やお祭りがそうであるように・・・。

 

 

脱線するのでここでは詳しくは書かないけど、
結局、ビジネスでも同じで、
商機(天)会社(地)スタッフ(人)が揃うと、
バカ売れし出すのと同じです。

 

 

また、動物愛護の精神に関して否定しないけど、
和楽器に使う皮は「バッグ」や「コート」などとは違い、
商業的な「デザインが目的」ではありません。

 

 

根本的に皮を使う意味と考え方が違うのです。

(市場規模も比ではありませんし)

 

 

 

 

(イメージ)

 

そこを表面だけ見て「動物虐待」と取ってしまうと、
日本の「神事」や考えも成り立たなくなってしまいます。

 

 

現在の和楽器事情に関していえば、
アジア諸国では食材として

 

本来、廃棄されてしまうものを
リユースしている部分もありますし、

 

 

 

日本の「いただきます」にも通じると
思うんですがどうでしょう??

 

 

いずれにしても、
日本のルーツを知ればもっと稽古や
和楽器が楽しくなるんじゃないかな・・と思った次第です。

 

 

 

なにかのヒントに繋がれば幸いですってことで、

まずは『古事記』から読むべし。w

 

 

 

では、良い1日を!

 

 

 

追伸:

 

 

因みに、ここまで言っておきながら、
過去はリスペクトしつつ、温故知新のもと、
拘りは無いので自分の三味線は『合皮』ですww

 

そして、和楽器への活用方法を
打診されたのが『シカのツノ』(驚)

 

某所行政より「SDGs」の一環として
有効活用が課題なんだそうです。

動物を生かすことはもちろん、

活かすことを考えてあげるのも必要ですよね。

 

 

この記事に関連する記事一覧

カテゴリー

2024年11月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930  

ページの先頭へ