『民謡』を英語にすると、
「Japanese folk songs」らしいけど、
どちらかといえば「津軽モノ」は『Blues』とか
民謡全般は『JAZZ』の方がしっくりくる・・・。
というのも・・・
津軽三味線は、江戸時代は『検校』(けんぎょう)という
目が見えない人達の役職があって高官だったのに、
明治維新後には制度が廃止され特権階級ではなくなった。
その後、更に戦争が追い討ちをかけて津軽地方では、
「ボサマ」(乞食)として蔑まれてきた背景がある。
三味線は楽しむものではなく、
かど付け(流し)で生活していく為の道具だった。
黒人が奴隷制度で労働の最中に口ずさんでいた
メロディーが『Blues』。奴隷ではないにせよ、
ボサマが、流し旅の途中で出会った土地の唄(民謡)を
演奏していたと思うとフォークソングよりも、
断然、ブルースだと思う。
(津軽三下がりや鯵ヶ沢甚句とかバーで演奏してもcoolだと思う)
一方、ジャズは、即興性があるので、まるで、
『津軽じょんがら節』の新節とかがピッタリ。
もはや、即興性が強すぎて初めて聴く人にとっては、
奏者によって全て微妙に違うのでどれが本当の
『津軽じょんがら節』かわからないと思います。
(フレーズは違ってもじょんがら節にはルールがある)
民謡の唄も、紐解けば、悲しいストーリーの
裏がえしだったり、実はゲスな意味だったり・・・。
やっぱり、ブルースだとおもう・・。
「民謡のどこがいいの??」と聴こえてきそうですが・・
自分もそうでしたけど最初は、ただの楽器演奏のつもりで
津軽三味線を始めて、ルーツとかがだんだん判り、
そうすると、そのルーツとなる曲を聴き始め、
曲を聴くと自然とリズムと歌詞を覚え、
今度は同じ曲でも奏者や歌手ごとの違いに
「?」が増えていって沼り・・・
気がつくと、このような場所へ足を運ぶようなるんです・・・
さて、このような場所とは・・・
今日はNPO法人『青森民謡協会』主催の
《第36回》青森県民謡民舞に行ってきました。
公演というより今回は「大会」なので、
一般の人(観客)も舞台で演奏したり、唄ったりします。
周りは、やっぱり、おじちゃん、おばちゃんが多いです。
ただ、元気っ!いきいきしてます。
街中を歩いていたら、ただのおばあちゃんなんだけど、
唄が始まると、めちゃ上手かったり・・・。
コタツにミカンが似合いそうなおじちゃん(失礼!)が
津軽三味線を弾き始めたらミュージシャンか!?と
思うくらい上手かったり・・その逆も然り。
そのギャップ感も見どころ。
あと、『手踊り』。
『民謡×三味線×踊り』なので『賑やかし』にも○。
文章で説明すると難しいんだけど、
若い世代でも、あのリズム感と踊り、
太棹の演奏は好きな人は多いと思うんだよなぁ・・・。
『盆踊り』や『よさこい』も今、
また盛り上がっていますけど絶対好きだと思うな・・・手踊り。
なぜ、学校でやらないんだろう・・・。
『南中ソーラン』が受け入れられるなら、
あれ観たら、三味線やりたい、唄うたいたい、踊りたい、
そんな、子ども達も絶対いると思った次第です・・・。
P.S.
津軽三味線の稽古仲間が優勝!
なんだか感慨深いものがありました。
P.P.S.
ハナシは飛びますが、三味線の
『綾杉胴』(胴の中にギザギザの彫りがある)は
音響効果を狙った加工なんですが、
一説ではホールの壁のデザインが元ネタだとか?!
(ホール設計と違い三味線の胴は、科学的根拠はない)
綾杉胴は反響して音量が大きくなると勘違いしそうですが、
反響させて余韻を消す効果を狙ってます。
もし、反響したらオーケストラの合奏はかなり
騒々しいことになるのは想像ができると思います。
つまり音量ではなく、音が良くなるということです。
ただ、何を持って音が良いと判断する基準が無いので、
正直、津軽三味線の場合、???です。
実際、綾杉胴の三味線を一時、所有してましたが、
少し中低音寄りの音がハッキリする音色だと
感じました。音のカドが丸い感じ。
自分は、サワリの余韻の長さと
シャッキリ尖った音が好きなので今は「丸打ち胴」です。
人によっては高音域が多く、エレキギターの様で、
『ノイジー』に聴こえるかもしれません。
「綾杉彫り」は雑音を消す為の加工なので、
雑音を出す為の「サワリ」と相反すると思うんです。
なので、個人的には調弦の位置、三弦が共鳴する
位置の調整がシビアで、弾きづらくう〜ん?でした。
(初心者なので・・・)
その微妙なバランスが「良い音色」とも
言えるんでしょうけど・・・。
それでは、良い週末を・・・。
カテゴリ:津軽三味線(仕事率50%)