2022年6月24日、25日の2日間、
東京銀座京橋、明治屋さんのお隣の
『エドグラン』で5回目の開催となる
「和楽器展示会」が開催されました。
どうなる?! 邦楽の未来
和楽器が、一般庶民に普及し始めた江戸時代では、
和楽器を演奏出来ることは当時の憧れでもあり、
一芸が出来ることは出世するチャンスでもあったそうです。
時は流れ戦後、伝統芸能や各地のお祭りや民謡と
一緒に一般の人にも普及していきました。
明治以降、日曜日の昼はテレビや、
街のイベントでも「のど自慢大会」なども開催されて、
三味線も生演奏していた光景を目にしたものです。
その後、高齢化による邦楽人口減少と楽器店、
楽器職人、楽器材料の不足、学校教育現場での
講師の不足、次世代の育成問題など課題があるなか、
業界独特の雰囲気もありつつ、和楽器の演奏を
「稽古事」として受け止めるのか音楽の1つ「楽しみ」として
受け止めるかにより印象と解釈が全く違ってきてしまい、
それもニーズの減少に対する課題の1つかもしれません。
衰退を防ぐには伝統ばかりに縛られるのではなく、伝統に則り、
見せ方、演奏楽曲、教え方、お互いが継続できる仕組みなど、
時代に合わせた方法で継承していく必要があるかもしれません。
守る「地の時代」から流動する「風の時代へ」
また「普及活動」と一口に言っても色々ですよね。
リアルの視点からいえば、演奏活動、イベント開催、
楽器体験講座やワークショップなどがありますし、
オンラインならSNS配信、オンラインサロン運営、
教材販売、物販、動画配信などがあります。
一方で、ビジネス交流会への参加、
一般企業とのコラボ、企業研修、外部団体への加盟など、
全く、邦楽界、和楽器界とは関連が無い所に対して
プレゼンをするのも「普及活動」の一環であり
未来のための「種まき」にもなります。
余談なのですが、私の経験上、
「日本伝統文化に貢献したい、ただ、業界に入り込めない雰囲気や
キッカケがない、良いこと悪いこと情報が無さすぎて何も出来ない・・」
そうおっしゃる社長さんはゴロゴロいます。
意外とチャンスは「内」ではなく「外」にあるのかもしれません。
時代遅れではなく、むしろ新しい和楽器
そんななか、コロナ渦の中でイベント開催などで、
個々に活動をしたくてもお会いできる機会も少なく、
オンライン配信という新たな試みは出てきましたが、
業界全体が配信ノウハウや機材の知識も乏しく、
実際の交流の場がないという現実も続いています。
まだまだ、新型ウィルスの影響も続き、
今後、外せない重要な課題ではないでしょうか。
途中パンデミックもあり、先が見通せない状況でも準備をしつつ、
約3年間「エドグラン」様も同じ思いで後押しをしてくださいました。
今回は、新たに初の試みとして和楽器のルーツや
体験教室を自由開催できる『講座部門』を増やし、
3階展示フロアでは様々な和楽器や和小物が並び、
職人同士の交流や技が見られ、訪れた方には、
手持ちの楽器の相談にも応じてくださいました。
メディアなどでは決して知ることが出来ない、
技術的な裏話も現場の生の声で
知ることが出来たのではないでしょうか?
また、地下フロアのメインステージでは、
『和洋折衷』思いっきり演奏を展開できる場所を
提供して頂きました。
当日は、風がとても強く譜面が必要な方には
なかなかハードなコンディションだったと思いますが、
天気も良く、予想よりもたくさんの方が、
演奏を聴いてくださっていました。
特に通りすがりの方が、
立ち寄ってくださる方が多かったのも印象的でした。
年齢層も、こどもから、おじいちゃん、
おばあちゃんまで幅広く、ご来場いただき、
これからの可能性を感じることができたのではないでしょうか。
演奏の題目は、古典から盆踊り、アニメソング、
洋楽まで・・何でも出来るのも和楽器の特徴です。
海外での人気を見ればわかりますが、
日本の和楽器は時代遅れなんかではなく、
世界に歓迎される楽器、そんな雰囲気も漂っていました。
最後に、会場を提供してくれた、
京橋「エドグラン」様、管理システムを提供してくださった
「evawat」様、エントリーしてくださった演奏者の方、
職人の方、店舗の方、そしてスタッフの方、お疲れ様でした!
またお逢い出来る日を楽しみにしています!
第5回和楽器展示会リスト