恐らく、業界初なんじゃないかと思う。
『演奏ナシ』の和楽器イベント、
和軸主催《和楽器カンファレンス》
さて、どんなイベントだったのかというと・・・
2023年7月1日(もう下半期・・・)
季節の変わり目の天気が不安定ながら集合時間は雨は何とか持ち堪え、
東京品川大井町駅にある「きゅりあん」という立派な施設の
大会議室を借り切って、一般社団法人 和軸(wagic)主催
『和楽器カンファレンス』というイベントのサポートしてきました。
一般社団法人 和軸(wagic)とは?
業界団体というと、業界のプロ集団というイメージがあると思うけど、
「わじっく」は業界内外の和楽器や邦楽の業界、行政団体、演奏者、
学生、プロ、職人、販売店など、ジャンルや流派、会派を超えた繋がりで
持続可能な邦楽界に向けアップデートしよう!という想いで
世界パンデミックの最中、設立された社団法人です。
実は、今回、パンデミックでオンラインでしか顔を合わせたことがなく、
リアルで顔を合わせるのは運営スタッフも初めてなんですが、
もう既にコミュニケーションはオンラインで取れてるので、
なんの支障もなく進行もできるというなんとも、イマドキスタイルなスタート。
今回の参加者は・・・(業種)
・業界誌の編集長
・某有名コンサルタント
・プロアーティスト
・投資家
・業界コミュニティの主宰
・マスコミ関係者
・地方行政関係者
・IT関係者
・起業家
・和楽器の未経験者
・和楽器職人
・一般人の方(和楽器の経験者・未経験者)
などなど・・・総勢25名の精鋭が集結!
参加者数だけ見れば、決して多いとはいえないけど、逆に濃厚な
メンバーが集まり、熱いセッションが繰り広げられたので意外と、
この人数が、限界だったかもしれない、と思うほどの内容だった。
なぜ、和楽器にはブランド無いのか?
そんな声も出ました。たしかに・・・
ギターなどの洋楽楽器には必ず、「ブランド」が存在しますよね?
しかし、和楽器は、複数の生産地があるものの、ブランドがありません。
(正式にはあるのですが、あまり公にはされていません)
唯一、「尺八」に関しては職人さんの銘がブランドとなり
「あれと同じ尺八が欲しい!」となった時に威力を発揮しているそうです。
国の法的規制の影響もあるそうだけど現に、中国では尺八がちょっとした
ムーヴメントにもなっているとか・・。
そんななか、和楽器が今の時代で売れるには『ブランド化』は
必要ではないか、との声があった。伝統工芸的な意味もある和楽器だけど、
9割9分ユーザーにしてみれば工芸品以前に「楽器」ですよね。
「ユーザーの拡大」が目的として考えれば、ブランド化による、
購入時の選択肢、安心感など時には「カワイイ」が和楽器の世界に
飛び込む決め手になることだって十分にあり得る。
なぜ、ギターやウクレレが手に取りやすいのか?
なぜ、人気があるのか?色々と業界事情はあると思うが、
厳しい現状、カスタマーに寄り添う必要があるのではと感じる。
和楽器市場はブルーオーシャン?!
「ブルーオーシャン」とはビジネス用語で、ざっくり言うと、
「市場未開拓地」のことを言います。
競合ライバルが少ないマーケットなんですが、
「ブルーオーシャン」を逆に言えば・・・メチャクチャ開拓が大変な、
もしくは、開拓の余地が無い、とも捉えられるとのこと。
つまり、どんな市場でも言えることだけど、1番乗りは、
開拓に膨大な資金と労力、反発、時間を費やす必要があり、
その為の費用対効果が望めない場合、事業が破綻してしまう可能性も。
ならば、ある意味レッドオーシャン?
ポイントは「ローカライズ」と言う意見が出た。詳細は長くなるので
省略するけど、和楽器人口は減少していても、和楽器に興味の有る、
潜在ニーズはまだまだ存在するということ。
なぜなら和楽器の体験会、ライブ、イベントなどでは賑わっていたりする。
つまり、和楽器を演奏したい層と、音色を聴きたい層は別なのだ。
まず、そこを混同するといくら頑張っても成果は難しい。
特にコロナ禍を境に色々と変化している印象があるので
この違いを認識して収益の仕組みを作る必要はあるかもしれない。
あつ〜いディスカッションタイム
登壇者を交えて、参加者全員でグループに分かれ、
それぞれのテーマについてディスカッションをした。
そのテーマとは・・・
・学校や行政へのアプローチ
・和楽器ムーヴメント戦略の具体的な実行方法
・カルチャーのトレンドとWEB発信
・地域連携
・資金調達
とテーブルごとにテーマが違う。内容については
今後、正式に公表される可能性が高いのでここでは詳細は省きますが、
いずれにしても、再現性の高い、トークが繰り広げられたのが印象的だった。
各テーブルの代表者がディカッションの結果を纏めて発表し情報を共有。
その後、来年の3周年へ向け、徳島新聞社の80周年も迎えるなか、
記念イベントも実現したいとの理事より閉会の挨拶も兼ねて終了した。
(メンバーは徳島出身が多い)
最後は、ビールやおつまみで交流タイム。その後みんなでお決まりの
打ち上げに傾れ込み、ムシ暑い品川の夜で更に熱いセッションになった。
今回は第1回目ということで、コロナ禍に設立された
同団体のメンバーがリアルで集結するのは初めてなこともあり、
どうなるかと思いきや蓋をあければ、予定通りに閉会したのは流石の運営力。
とはいえ、人員が豊富なわけではないのでもし、あなたも
興味があるなら『和軸』のホームページをチェックしてみて下さい!
最後に・・・・
今回のカンファレンス、和楽器業界の他に異業種の専門家も参加した中で、
一番、エンドユーザーに近く、今後の影響を受けるであろう和楽器の販売店、
教室の運営者、職人さんなど、サプライヤーの参加は無かったのですが、
個人的には『現場の声』を聴きたかったです。ぜひ、次回は聴かせてください!
また、学校の必修科目に和楽器も加わっていることから
教職員の参加もお待ちしています!
いずれにしても参加された方、お疲れ様でした。
今日も良い1日を!